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技術系社員こそ、世の中の動きへの情報感度が大切ー若手の育成を社内意識改革の起爆剤にー

  • 株式会社ピーエス三菱

    管理本部 人事部長

    柏木 一郎氏

Introduction

 2004年のサービス開始以来、日経プレビジネスパック(PBP)を長年ご活用いただいている株式会社ピーエス三菱の人事のご担当者にPBPを導入された背景や成果、若手社員を中心とする人事研修についてのお考えなどをうかがいました。

*日経プレビジネスパック(PBP)は、日本経済新聞をメインテキストとした内定者・新入社員・若手社員向けの研修パックです。
2004年にスタートし、これまで延べ8,000社、100,000人以上の方々にご利用いただいてまいりましたが、現在、販売を終了しております。
2021年春より、お客様の研修ニーズの多様化やオンライン化にお応えできるよう当社の研修事業をリニューアルし、「日経MPビジネスパック(BIZ PACK)」のブランドでご提供いたします。BIZ PACKはお客様のニーズにあわせた自由設計型の研修です。PBPと同様の研修をご提供することも可能です。詳しくはお問い合わせください。
 

日経PBPは内定者とのコミュニケーションツールとしても有効

司会者

まずは日経PBPを導入された背景をお聞かせください。

柏木さん:当社は日本におけるプレストレスト・コンクリート(PC)技術のパイオニアとして、大規模橋梁工事をはじめ国内外の社会資本整備等を幅広く手がける総合建設会社です。その業種柄、社員全体の8割以上を技術系社員が占めています。当社に入社してくる新入社員たちは、土木・建築に関する専門的な知識をある程度身につけていますが、その半面で政治・経済や社会情勢、国際時事などについては学生時代にもあまり触れる機会がなく、研修等を通じてフォローしていく必要があると以前から考えていました。
 私たちの世代からすれば「日本経済新聞を読むのは社会人の常識」という感じでしたが、残念ながら今の若い人たちはほとんど新聞を読んでいません。少なくとも当社のニュースが載った記事は必ず読んでおくべきですし、それ以外にも大きな記事には目を向けて世の中の出来事や経済・ビジネスの大きな流れについて最低限の知識を持ってほしい。そういう考えから日経PBPの導入を決めました。

山田さん:導入のもう一つの目的として「内定者へのケア」があります。私たちは毎年、たくさんの採用面接をしていますが、最後に何か質問はありますかと尋ねると、「入社するまでに何をしたらいいですか?」「どんな勉強をしたらいいですか?」と決まり文句のように聞かれます。頑張って就活をして、業界研究をして面接もこなして、晴れて内定をもらったけれど、本当にこのまま社会人になれるのだろうかと、とても不安なのでしょう。そこで私たちは、「これから身につけるべきことについて、ちゃんと課題を与えますから大丈夫ですよ」といつも伝えています。つまり、それが日経PBPのプログラムです。eラーニングを通じて、一般常識についての解説や時事ニュースについてのクイズなどを提供していくことで、「なるほど、こういう知識を身につけないと社会人として通用しないんだな」と意識を持ってもらうことができます。内定者用のプログラムを行うこと自体が、学生である彼らに「会社とつながっている」と感じてもらうことにもなります。
司会者
なるほど。内定者とのコミュニケーションツールでもあるのですね。実際に導入されて、いかがでしたか。

柏木さん:内容にはとても満足しています。プログラムのボリュームもそれほど負担になりすぎず、受講者たちも現状の自分の実力試しとして取り組めているようです。eラーニングシステムなので、本人たちも 自分の空き時間にやれますし、振り返りがしやすいのもいいですね。

佐々木さん:週1回届く「日経PBPメルマガ」に 毎回ミニテストがあり、さらに入社前と入社後の計2 回行う「日経経済常識テスト」で本格的な力試しができます。実は私自身、内定者研修としてPBPを受 講したのですが、テストにチャレンジしてみると、自分が日本経済新聞を読んで学んだ効果を感じられて嬉しかったです。先ほどの話にもありましたが、研修プログラム全体を通して入社前から会社とつながっている感覚を持てました。

山田さん:今の若い世代は承認欲求が強いと言われます。その意味でもこうした双方向のコミュニケーションは結構大事なのだろうと思います。

佐々木さん:それからeラーニングでは、一人ひとりの受講状況などを管理者用の画面で見ることができます。入社前の段階から「この人は毎回頑張っているな」などと把握できるので、それも参考にしています。

柏木さん:もう一つ、とても有効だなと感じている のが「レポート添削」(オプションプログラム)です。受講者が与えられた課題についてレポートを書いて、日経の記者経験者の方が、言葉遣いから内容構成まで細かく添削してくれます。自分の書いた文章について、専門家からあそこまで丁寧に教わる機会はなかなかありません。

山田さん:最近は誰とでもチャットアプリでコミュニケーションする時代です。だからビジネスメール のような短い文章ですら、書き方の基本的なルールがわかっていない若手社員が多くて。自分の文章を添削してもらって基礎からしっかりと学ぶ機会があることは、大きな刺激になってい ると思います。

新聞を通じて世の中に関心を持つことが将来の大きな差に

司会者
若手社員のみなさんに、新聞を読む習慣は身についているのでしょうか。

柏木さん:日本経済新聞を読む時間が具体的にどれぐらい増えたとか、全員が毎日ちゃんと新聞に目を通しているかとか、そこまでの細かな調査をしていないの で、正確な実態は分かりません。でも意識の変化は大いに感じます。すぐに仕事で目に見えた成果が出るわけではないですが、入社後に漠然と数年間過ごすのと、 新聞を通じて世の中に関心を持ちながら過ごすのとでは、5年後10年後に大きな差が出てくると思います。

山田さん:例えば今、現場で活躍している所長たちは、最前線の責任者として発注者様にご満足いただける仕事を成し遂げるのが一番の仕事です。でもそれ以外に、新たな案件を受注するのも重要な仕事です。そのためには技術の知識だけではなく、各産業界の最新動向や、社会資本整備についての政策動向などにも敏感であることが求められます。そういう場面で、情報感度がしっかりと身についているかが問われていくのだと思います。 当社の社長も「経営目線を持った社員を育てることが必要」と常々語っています。そのためにも若い時から、世の中に対する情報感度を高めておくことはとても重要だと思います。

司会者
PBPだけでなく、若手人材への研修に以前から力を入れているとお聞きしました。

柏木さん:内定段階の学生も含めて、若手社員向けの研修の改革を進めてきました。最も大きいのは、2016年から新入社員研修の期間を、従来の3カ月 から6カ月に伸ばしたことです。基礎的な集合研修から現場研修まで、それぞれ内容を充実させましたが、特に意識したのは「イメージギャップの回避」と「コミュニケーションの強化」です。新入社員たちが仕事に対して思い描いている理想と、実際に配属されて体感する仕事の現実とでは、少なからずギャップが生じます。配属されてみたらイメージしていた仕事ができなくて辛いと。このギャップがあまりに大きいと離職につながります。実際、そういう社員もわずかながらいました。     そこで、そのイメージ ギャップを会社側として少しでも小さくすること。その上で、入社後3年間を研修期間と捉え、現場である程度の戦力になるまで、できるだけ丁寧に教育していくこと。この二つを新人教育の新たな目標に掲げました。施策の一例として、新入社員が入社2年目の社員とコミュニケーションできる合同研修を導入しました。新人の悩みや不安を解消してもらうのが狙いです。2年目の社員にとっての振り返りの機会にもなります。また新入社員の悩みなどを、直属の上司を経由せず、人事部で直接吸い上げる仕組みを構築しています。さらに同期入社の社員同士のコミュニケーション機会も増やしました。仕事について分かり合える同期の心の絆ができたのは、とても大きかったようです。これらの取り組みが奏功し、入社3年間の離職率は2014年度以前の新卒は20%を超えていましたが、2016年入社の新卒では 約3%にまで激減しました。

佐々木さん:たしかに先輩にも友達にもなかなか理解してもらえないことも、同期だったら話せるということがあります。仕事以外も含めて、私も今でも何かあれば同期に相談しています。

柏木さん:最近の若手社員は、本当に同期の仲が良いですよ。私たちがちょっと驚くほどです(笑)

キャリア形成のサポートを充実させ、定着率の向上を図る

司会者
最後に、若手研修についての今後の展望やビジョンについてお聞かせください。

柏木さん:現在意識しているのは、社員のキャリア形成を会社としてどうサポートしていくかです。最近の若い世代は、企業が自分にどのような成長機会を与えてくれるかを重視するようになっています。しかも働く価値観は多様化していて、ひとくちに「キャ リア形成」といっても人それぞれです。将来的に経営層を目指したい人もいれば、土木や建築技術の専門家や研究開発を続けたい人もいます。 社員一人ひとりのキャ リアビジョンを把握した上で、その人がどのようなキャリアをどう築いていくべきか、そのために具体的にどのような能力や経験を身につけてステップアップしていくべきか、ある程度の方向性を会社側が示してあげる必要があると思うのです。例えば主任になったらこういう仕事をして、そのためにこんな能力や資格を持つべきだとか。キャリアを可視化していけば、具体的な目標が設定できますし、それをクリアしていけば本人の達成感につながります。定着率の向上にも貢献するでしょう。そういう人事のあり方は、新たな若手人材を獲得する上でも重要になってくると思います。

山田さん:新入社員の研修を大きく見直して4年が経ちました。中長期的に私たちが目指しているのは、若手社員だけではなく、社員全体の意識改革により、人材の総合的なレベルアップを図っていくことです。管理職世代も含め、上の世代への研修にも幅広く取り組んでいます。彼らには長年の経験と能力、その成果としての成功体験があります。それ自体は素晴らしいことですが、仮に研修で何か目新しいことを学んだとしても、すぐにそれを実践してくれるわけではありません。そのため変化がなかなか起こりにくい。 しかし若手人材の育成に力を入れて、世の中に幅広く目を向け、ビジネスや業務運営に関する新しい考え方にも柔軟に対応するような社員が次々と育っていくようになれば、それは上の世代にも大きな刺激になると思います。その意味で、現在の若手向けの研修事業を一層磨き上げて、社内の意識改革の起爆剤になるようなものに高めていきたいと考えています。

 

司会者
貴重なお話をありがとうございました。
  • 柏木 一郎氏

    管理本部 人事部長

    人事部長代理 兼 人事労政グループリーダー 山田 雅史氏
    人事部 採用・研修グループ 佐々木 麻里氏

導入企業プロフィール

株式会社ピーエス三菱

〒104-8215 東京都中央区晴海2-5-24 晴海センタービル3 階
☎ 03-6385-9111 http://www.psmic.co.jp/

新設橋梁を中心とした土木事業と、耐震・免震に優れた構造物を得意とする建築事業を展開する三菱グループのゼネコン。プレストレスト・コンクリート(PC)技術を日本で初めて商業化。
事業内容:■プレストレスト・コンクリート工事請負、企画、設計、施工監理 ■建築土木工事請負、企画、設計、施工監理 ■維持、補修事業